新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

気が乗らないワケ(愚痴です)

さほどボリュームもなく、さくさくっとできそうな仕事のはずなのにどうしても気が乗らないものがあって、というか近頃そういう仕事が増えてるような気がして。仕事なんだから気が乗るだの乗らないだの言ってる場合じゃない!と自分を奮い立たせてなんとか本日そういうのを3本ほど仕上げました。
でもやってて気づきました。なんで気が乗らないのかが。
登場人物はクライアントの担当と新人編集者と私。普通ちゃんと編集者がいる場合はライターとしての私がクライアントにわざわざ会いに行くことは滅多にないのですが、今回は編集さんが新しい人ということもあって同行。ご挨拶に伺いました。クライアントは行政の外郭団体。まあかなりお役所っぽいところですね。しかし担当さんは意外とお役所っぽくなく、「とにかく面白いものを作りたい」とか「いろいろなことにチャレンジしてみたい」とか「積極的にアイディアを出したい」とか頼もしいことを言ってくれるのです。お役所系はぐだぐだと文句ばかり言う割りに積極的にモノ作りには関わってくれない場合が多いので、そういう意味では貴重な存在ですね。
しかし具体的な話になるとこれがかなり支離滅裂。例えば「ビールについての記事を1ページ」という枠組みがあったとして、今回編集さんはそれに対する企画を3つ程持参していました。まあこれがありきたりっちゃーありきたり。別にありきたりでもオッケーなんですが、こういう時はなぜ「ありきたり」にする必要があるのかを説明しなくちゃいけない。しかし彼女にそれはなかったんですね。どうやらいくつか案を出せと言われて、ネットで検索して、箇条書きにしてきたらしい。クライアントは案の定「なんかありがちな感じですね」と一蹴。そこで彼女は反論しなかった。で、その場でいろいろ話し合うことになる。そこで必要なのは、クライアントが何を意図してそのページ(場合によっちゃその印刷物そのもの)を作ろうとしているのか?なので、私はいろいろ聞きました。「誰に読ませたい?」「どう思わせたい?」「何の宣伝をしたい?」etc。読者は男なのか女なのか、若者なのか年寄りなのか、独身なのかファミリーなのか。笑わせたいのか、感心させたいのか、それとも感情を入れたくないのか?そういう狙いがあって初めて企画と言うのは成立するので、何もなしに「ビール」と単語で言われたってチンプンカンプンです。でも結局それに対する明確な答えは出てこなかった。前向きなことをほざいていたはずのクライアントも「そういうのは面白くない」「それはどこかで読んだことがある」などと出てきたものを否定するしかできないらしい。「じゃあさ、××さん(編集さん)が実際に自腹で飲み比べして、美味しいとか美味しくないとかやったら〜」なんて言い出す始末。アホかお前は!という言葉はさすがに飲み込んだけど。その場では埒が明かなくて、しかも編集さんも「どうしましょう?」と困った顔をするだけなので「お前がどうにかしろよ」という言葉は心に秘めたまま「考えさせて」と言って帰ってきてしまった。
結局そういう不毛な会話の中から、この団体の傾向、その担当さんの好みを私の少ない脳みそ駆使して弾き出し、いくつか案を出す。こういう人は大抵企画書では内容を理解してくれないので実際に原稿をある程度作ってしまう。文体とか、キャッチコピーのつけ方でこの間ダメと言ったものが通ってしまうことなんて日常茶飯事なので。しかしこれはそれなりの作業なのですよ。もちろんビールについて調べるところから始めなくちゃならない。しかも私は体質的にアルコールがまるっきりダメときている。一缶飲んだら致死量なので、味もへったくれもありません。しかもいつものごとく時間もないときている。面白い企画なんて考えたところで実行に移している予算も時間もないじゃん!なーんて仕事しているから気持ちが乗らないのです。でもやっぱり乗らなくてもやらなくちゃならないので、やりました。3本も。なんか気分的にヘトヘト。
これクライアントに見せてダメって言われても(言いそうな気もするけど)、絶対説得すべし・・・編集さん頑張れ!正直、出て行ってこの企画をきっちり通してやりたいところだけど、説得は私の仕事じゃないのよー。出過ぎたマネは慎まなければならない。っていうか、企画を私がやってる時点でかなり出過ぎてる気もするのですが。
そんな出過ぎた助け舟を出すから、また次の仕事もそういう面倒な担当さんのが来るっていう悪循環。それだけ私の仕事を評価してくれるのも嬉しいけど、こんな苦肉の策ばかり評価されても虚しいし。そんなことばかりを次から次へとふられても正直苦しい。せめて時間を・・・もうちょっと余裕を持ってください。お願い・・・。
と言いつつ、目の前にはそういうでっかい企画ものがもうひとつ・・・。ぐったり。せめて編集さんがもう少し能動的に動いてくれると助かるのですが。アイディアのひとつもなしに、クライアントの意向もろくに聞かずに、丸投げしてくるのは勘弁願いたい。手品師ではないので、材料のないところから花は出てこないのです・・・。