新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

五瓣の椿第三回

母と良い仲になっちゃってた男五人を殺すことを心に誓った主人公おしのちゃん。二話目までで二人を無事に殺し、三人目にターゲットを絞りました…。全五話ってそういうことなのねー。一話で一人っつー計算ですか。なるほど。

この三人目が札差の放蕩息子及川ミッチー♪いいわ〜絵にかいたようなダメダメなぼんくら若旦那をやらせたら右に出るものはいないんじゃないのー?と思うくらいにぴったし。キャラが濃すぎるせいか、おしのちゃんと向かい合ってると軽く学芸会風な空気が流れるんだけど、でも一人になれば俄然しょーもない若旦那…いい!かなりいい!!
ターゲットの一人目と二人目はそれなりに大人の男、しかも百戦錬磨系だったので「こんなケツの青いムスメのどこがええんじゃい!引っかかる方がアホじゃい!」と、説得力のなさに脱力もしましたが、このミッチー的ぼんくらならアリ!おしのちゃんを「金づる」と公言してはばからないところがいい!

しかーし探索の手は意外と速くおしのちゃんの近くにまでやってきてしまっていて、いきなり茶屋で阿部ちゃん与力による取り調べ。立ってるだけで威圧感ありますわ…与力さま…でかいから(←そういう理由かい)。てかおしのちゃんのいる部屋をそっと覗くことに罪悪感を感じる阿部与力。じゃあどうすんのさー?と思ったら、正攻法でいきなりお部屋に現われるという…。いや、普通こんなデカイ人がいきなり声もかけずに障子あけたら襲われると思って泣き叫ぶものですよ…か弱いオナゴなら。しかしおしのちゃんてば妙なところで肝が据わっているらしくまったく動じず、すらすらと偽のプロフィールなどしゃべってました。

して、そんなおしのちゃんを見て阿部与力「あの娘は白だ。人を殺せる娘ではない!」とな…うおーい(笑)!
しかしまあ、これが多分このおしのちゃんの魔性ぶりなのでしょう。阿部与力によれば「内側にいびつなものを抱えている者は見ればわかる!」のだそうで。アンタそんなこと言ってたら道歩いてるだけで罪人がすぐわかるやん…とか突っ込みそうにもなりましたが、それはとりあえず置いといて。
つまり、人を殺めているのに、全然そういう臭いがしない=本人に悪いことをしている気がないからそういうものが臭ってこないと。こんなふうに書くとヒロインがバカ丸出しみたいに聞こえますが、心の底から正しいと思って悪人を成敗しているだけ、私利私欲で悪事を働いたりしている者たちとは根本的に違うということなのでしょう。

さてさて。
そんな中の堺さん。徳次郎は相変わらず淡々と帳場格子の向こうに腰をおろしてますが、それにヤキモキしているのはおこよちゃん。なんとかその目を自分の方に向けさせようと必死。椿の花弁の殺人事件が載っている読売を徳次郎に見せて「おしのちゃんに似ているわ」とか言っちゃってます。そのたびに「がーん」という効果音が付きそうなくらいに目をひんむいてうろたえる徳次郎…そんな大げさな〜って感じもするんですが、途端に目が虚ろになって挙動不審に。で、おこよちゃんは「でもおしのちゃんは死んじゃったわけだし〜」なんて、ものすごーくわかりやすい解説でダメ押し。押されて素直にヨロヨロになる徳次郎…アンタそれでも男かい…。

えれーこっちゃ…おしのちゃんがもしや人殺し?と焦りまくって、人目を忍ぶようにしておしのちゃんの家にやってくる徳次郎。しかーし周囲をうかがいながら足早にやってくる姿は「あんたの方がよっぽど罪人ちっくじゃないの!しっかり背中を伸ばしなさい!」と、思わず母心で叱咤したくなるくらい。
しかーし、探索の手が伸びているために既におしのちゃんはおらず…蛻の殻。
ガーン…とこれまた効果音が聞こえそうなくらいの勢いで崩れ落ち、ショックのあまり顔面蒼白になる徳次郎。

一方のおこよちゃんは、おしのちゃんの話題を出すと徳次郎がガーンとなるのを見て「いつまで死んだ人のことを思ってるのよ!」とプンスカ。ついには生前おしのちゃんが着ていた着物を身にまとい、「ウフフフ〜どうお〜?」みたいな、アイタタタな演出。その姿がマジでおしのちゃんにダブって見えてキラキラと一瞬夢を見そうになった徳次郎…幸せそうな顔なんかしちゃって、あんたもあんた!ってな感じですが、さすがにすぐに我に返り目をそむける。「私を見て!おしのちゃんへの思いの半分でいいから私に向けて!私をおしのちゃんだと思って!」うーむ、一番鬱陶しい清純派アプローチですな(笑)。「やめてください」と一生懸命冷静に抵抗する徳次郎ですが、あんまりしつこいおこよちゃんに、ついにマジ切れ。「やめろー!」と叫んで突き飛ばす暴挙に…いくら信頼厚い手代だって、お嬢さんにそれはまずいんじゃないのー?と思う間もなく悲しみのズンドコのおこよちゃん。
いや、これは確かに徳次郎が悪い!実際おしのちゃんよりもおこよちゃんの方が明るくてヨメにしたら上手くいきそうだもん(笑)。そもそも、そんなにクヨクヨやってんならさっさとおしのちゃんの手を取って逃げるとか、一緒に人殺しに手を染めるとかすりゃーいいんだよ。まったく。

因みにおしのちゃんは探索の手をサックリ掻い潜り、三人目のミッチー若旦那を一発でしとめました。そして死体の上に阿部与力あてのお手紙を置く余裕。
「この間は嘘ついてごめんなさい。いろいろあって私は人を殺します。悪いことだと思ってません。上手くいけばあと二人殺す予定です」みたいな慇懃だけどとんでもない内容の予告状を…。

さあどうする!阿部与力!というわけで第四話へ続くのでした。