茗荷谷の猫
- 作者: 木内昇
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2008/09/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ブックレビューなどで、「短編がそれぞれ別の話で時代も違うのにどこかで繋がっていて面白い」と聞いていたので結構期待しちゃったんですけど。確かにその書評にはなんの間違いもないと思う。その通りだ…。
けど、繋がってる必要性は感じなかった(笑)。
いや、一話ずつは面白いんですよ。それぞれカラーは違うのに、湿度は同じというか。人間がさり気なく、でもざっくりと掘り下げられてるし、結論の出ない割り切れない感じもリアリティがあるし。
だけど「繋がっている」ことは別にウリじゃないと思った…。そんな書評はこの本のためにならない気がする。繋がってることを知らずに読んで、一話ずつを短編として堪能して、結果として「おや?繋がってるんだ?」って思えたら、ちょっとオマケがついてきたみたいで嬉しくなるものなんじゃないかな。
いや、書評に踊らされた自分が悪いんだけど。
でもこの人の書く話は女々しくなくていいです。登場人物が女々しいかどうかではなくて、心情を書き込んだりとか、結論をひねりだしたりとか、そういう部分がサラっとしていて読み心地がいい。話にはウエット感アリなのに、ジメっとしないところが心地よい。
最近のんびり本を読むタイミングをつかめなくて、バタバタしてて。でも寝る前とか、入浴中とかに、ちょこっと1話ずつ読み進めて、ようやく読み終わった1冊でした。なんかそういう読み方があってる気がした〜。