新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

二度目のボツ案

一回目の図面を見て、「夢見がち矛盾てんこもり夫婦」は「現実シビア夫婦」へと路線変更しました。いまいちどよーく考えてみる。自分一体どんな家に住みたいんじゃ?と。

そんなわけで2度目の図面を頂きました。再び営業I氏が「お届けにあがりま〜す」と軽いフットワークで登場。次回の打ち合わせまでに夫婦でじっくり拝見することに。

むむむ〜。違う。違う気がする。何が違うんだろう?と悩むこと1分(みじかっ)。満場一致で「リビング階段はやめよう」。子供が帰ってきたときに親の顔も見ずに部屋に入るのはなあ〜なんて人並みに流行のことを考えてみたんですが、「そんなデカイ家なのかよっ!」と。さすがに2階にいると1階にこっそり誰かが入っても気付かない可能性ありですが、同じ1階で扉の向こうとこっちぐらいならわかるだろーよ。それになんじゃこれは。テレビの前を横切って家の奥まで一旦いかないと二階に上がれないなんて動線悪すぎるし…(でも暖房効率などが悪くないように手前に扉をつけてくれたあたりは素晴らしかった)。
夫の希望した鰻の寝床書庫だって、確かにそういう形にはなってるけどこれ面積的には同じだし。大体万が一この家を建てて手放さなくちゃならなくなったとき(この辺の豊かな想像力は自分でもびっくりする)、こんな妙な間取りの家誰が買う?窓のない北側鰻の寝床を欲しがる奴はいるのか?なんてことまで考えて「あーもう却下却下!」と。
因みにこのプランで「いいな♪」と思えたのはお風呂が2階にあること。北側公園の木が見える2階。窓ついてたらすごく気持ち良さそう♪ついでに洗濯も2階でして、そのままベランダに干して、取り込んでしまう。全部2階でいいじゃん〜。と、これだけは最後まで引っ張って行くことになるのでした。
とりあえず2畳ちょっとしかなかった仕事部屋が4畳に増えてるし♪でもそれより広い階段ホールがあるのは何?ここは豪邸?しかも周囲は全部部屋。窓のない暗くて(←イメージの問題)広い贅沢な階段ホール。
違う違う!やっぱりなんか違う。どー考えても私たちの出した条件が間違ってるんだけども(笑)。でもやっぱり違うもんは違う。

再びまたも根本的なところに立ち返らねばならない夫婦。これが12月の頭のこと。
打ち合わせにてまたも「すいません…私たちが馬鹿でした」と頭を下げたのでした。無論設計A氏がそんなことでアレコレ言うはずもなく「そうですか…じゃあ」とにっこり笑って新しい図面を引き始めるのでした。偉いぞA氏。私だったらとっくに「んたくよー最初からそれぐらい考えてから来いよ」と内心で文句たれること必須。そうやってぼやきながら書き直した原稿の数々を思い出し、少し恥ずかしくなりました。
今になってみると、もしかしたらA氏はこうなることを見越していたかもしれないなあと思うのです。結局素人は「何故ダメなのか?」「何故変なのか?」を目で見ないと納得できないんですね。図面を引かずに、口で「それはおかしいですよ」と説明されたなら、「この人私たちの要望を聞いてくれない」と、彼への信頼はなくなっていたでしょう。彼が正しかったとしてもです。
そう思うと彼は確実に私たちが納得する方法を提示してくれていたし、私たちの信頼をこの作業で勝ち得たんだと思います。出てきた間取りを見て、あきらかに彼の力不足ではなく、私たちの要望の無茶苦茶さ(てか無意味さ)を知りましたから。拘るポイントを間違えているんですよ…自分。

そんなわけで、きっと内心は「ニヤリ」としていたであろう設計A氏。心の広い、そして百戦錬磨の彼の手のひらで思い通りに転がされる夫婦。しかもそのときは転がされていることにすら気付いていない模様(ほんと馬鹿です)。しかしこのやりとりをひたすらじいっと隣で聞き議事録をとり、時折「あ、和風がお好きなんですよね?」なんて、私たちが間取りに気をとられすぎるあまりに言いそびれていた好みなんかをフォローしてくれるあたり、営業I氏も負けていません(何の勝負だ?)。この人、初対面のときに私がちらりと話したことなどしっかり覚えているんですねえ。実家が近いこととか、隣の人があんまり顔合わせたがってないこととか(って初対面でそんな話までしてたのか、私)。
今思えば(こればっか)、彼らは鉄壁のフォーメーションで私たちを落とそうとしていたに違いないんですが(笑)、実はこのとき打ち合わせしながら簡単に図面を引いてもらっていて、「これで次回思うような図面が出てこなかったら、建て替えなんて今はしなくてもいいや」と私が思っていたのも確かでして。互いがギリギリのラインで鬩ぎあっていたのも事実なのです。ええもう安い買い物じゃないですから、お互い顔では笑ってましたが、馬鹿夫婦も結構シビアに見つめていたりなんかしたんです。

そんなわけで、結局次の設計図が私たちの中では大きな転換期となるのでした。