新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

昨今の住宅傾向

3度目のデートの話は次回にして、昨今の住宅の傾向について。私が漠然と思ったことなので信憑性は低いですが。そんなにたくさんのところを見たわけではないのですが、気になったのは住まい方です。

まず開口部。前にも書いたとおり私は大開口が大好き。昔の日本の農家とかって皆縁側があってそこはドーンと開くでしょう?私の身内にはそういう家がないのですが、一時期仕事でそういう立派な旧家(特に農家とか網元さんとか)をいっぱい訪ねたことがあってとても惹かれました。名所旧跡などにもそういう建物は多いですが、やっぱりどうしても現実味が薄くて「それはそれ」って感じがしてしまうんですね。その点、今も人が住んでいて普通に「こんにちは」と訪ねていけるそういう家の良さを肌で感じることができたのはなんとなく嬉しかった。土間とか広縁とかにも独特の良さ(使いやすさやゆとり)があるような気がします。でもまあ、昨今の我が家近辺の住宅事情では当然無理な話でして。せめて開口部を大きめに…と思うのです。軒があって夏の日差しを遮りながら空気は通す…みたいな感じとか。世の中の皆さんがそう思っているのかどうかはわかりませんが、頑強な構造体を持つ大手さんではそういう巨大開口部を容易く作れるようになっているのですね。古い頭で考えると「こんな柱少なくて地震とか大丈夫なんすか?」なんて思ってしまうのですが、大丈夫なんだそうです。うちはこっち派。

一方で、開口部を小さくしている家も多い。輸入住宅とかは勿論こういうのが多いですね。はめ殺しの窓がたくさんある家とか、開けるときにもドーンと開くのではなく隙間が開くような感じのとか。そういう家はやはり空調をきっちり効かせることに重点を置いているような感じです。中には全館一括冷暖房の家もあるんですね。冷蔵庫大の空調機械を入れて、一年中快適な温度や湿度に室内を保つ。ホコリとか花粉とかもシャットアウトできるので、アレルギー類のある方には嬉しいシステムなのだそうです。窓は開けないのが基本。冷暖房は窓から逃げるので、必然的に開口部は小さめになるようです。これをやると、間取り的には仕切りとか扉とかをとっぱらった大空間が可能になるわけです。全館空調だから、部屋ごとに分ける必要が無い。トイレも廊下も冬でも暖かい…何気に結構魅力ですよね〜これって。

モデルハウスの間取りで多いのは、そういう仕切りなしの大空間系。モデルハウスだから可能だという気もしますが、最近はそういうツクリにする人も多いみたい。リビング階段(リビング内に階段がある)タイプなんかも多くて、「子どもがリビングを通らないと部屋に入れない」なんていうコミュニケーション重視型。実は私の育った実家はそういう家で、お客さんが来ていようとなんだろうととにかく部屋からトイレにいくのにもリビングを通らねばならない状態。引きこもれないという意味では良かったかもしれないけれど、まあ鬱陶しいと言えば鬱陶しい家でした。
これに連動して、子ども部屋に扉が無いとか、うんと子ども部屋を狭くしてしまってそこは寝るためだけにある空間にしていまうとかっていうのも流行りらしい。宿題とか本を読んだりとかは階段ホールなんかでするようになっていたり。リビング階段を上がるとそこがいきなり部屋になっていて(リビング吹き抜けの上みたいなところ)、普通廊下だろ…というところにテーブルとか椅子があって、常に人の気配を感じながらいられる…のだそうです。楽しそうだけどプライバシーなどないと言えばない。

それはそれで面白いし、大きな空間は魅力ですが企業が一生懸命「子どもが引きこもらない(引きこもれない)、家族のコミュニケーションを重視した家」を企画しているというのにちょっとやるせなさを感じてしまいました。アイディアは面白いし、実際良いかもしれないですけれども、コミュニケーションなんたらかんたらはハード面を工夫して乗り越える問題ではないですよねえ。やはりそこは個人の問題というか、親の問題というか。別に企業も「これなら大丈夫」と言っているわけではないのですが、そういうことが住宅の「ウリ」になるというのはちょっと驚き。

そんなわけでじゃあウチはどうなるのよ…っていうのは追々書くとします。現在の我が家の家づくりコンセプトは「ジジイとババアが住んでそうな家」。建ち上がった家を見た人が「年寄りが建てた家ですか?」と思うような家がいいなあと。これ近所に凄くお洒落なデザイナーズ住宅みたいなのが建ったことに影響を受けているんですが。真っ白で四角い箱が重なったみたいになっていて、何故かそれが夜になるとライトアップされていて(笑)、南側に窓がなくて、妙な三角突起が角に出っ張っていて、庭は殆どコンクリートで固められていて…という。
その対極を行ってみようかなと思う今日この頃なのでした。