新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

「新選組!!土方歳三最期の一日」感想

やっとこさ感想にこぎつけました。本館にアップすべきかとも思ったんですが、なんと肝心なこういう感想を書くところがないんですよ〜(アホですね)。俳優さんの別館感想部屋はあるのになぁ。ということでとりあえずここに。長くてすみません。

真っ正直に思ったことをまず述べるとしたら、やっぱり90分でまとめるのには無理があったんじゃないかなあということ。90分でまとめるために最期の一日したというのはもちろんその通りなんだけれども、それでも足りないっ!と思うのは贅沢なのかなあ〜。副長の心境の変化の描かれ方はさすがっていう感じがしたのですけれど、その前の「死に場所を求めていた」っていう前提がエピソード的に薄いから折角の振り幅が感じられなくなってしまっているというか。やっぱりこれは1年とまではいかないまでも1クールぐらいは使わないと無理なんじゃ?
なんていうあれやこれは私の贅沢心でしかないのでさておき。
なんて素晴らしかったのでしょう(涙)。
大鳥さんにこんなに泣かされるとは思いませんでしたよぉ。まじで。途中までは「案外クールに観られそうだ」なんて思っていたんですけれども、いかんいかん。後半ぐいぐいと引き込まれてしまって結局大鳥さんに泣かされるなんて。
だってあんなのアリですかあ。「おまえとは何だっ」って声ひっくり返しておいて!「今ここで言うことではないだろぉ〜」と取り乱しておいて。机の下に隠れておいて!きっと国府台から延々この二人はこれをやっていたんでしょうねえ。榎本総裁じゃなくても面白がりたくなってしまう。というより、そんなふうにおちょくられても一生懸命だったであろう大鳥さんがかなり好きかも(えっ?)。大鳥さんの最後のジオラマを壊す、あの細い身体のどこにそんな力が?っていう位のちゃぶ台(じゃないって)ひっくり返しシーンでもう、うおぉーん(←ほぼ遠吠え)。涙が止まらなくなるじゃないですかっ。
だよな。皆勝ちたかったんだよな。降伏したかった人なんていなかったんだ(←史実も含め)。でも最後の一縷の望みであった副長の死はすべてを終わらせた。それが良かったのか悪かったのかはそれこそ為次郎兄さんが言っていた「100年後200年後の人が判断する(だっけ?)」ってことなのでしょう。140年経ってしまったけれど、やっぱりどっちとも言えない。ただその上に今の私たちあることも事実なわけで、ああ本当にこれはついこの間のことなんだなあと、何度も書いている気がしますが再確認。
ドラマの話に戻りましょう。
吹越さんの演じる大鳥がブラボーだったことは前出の通りとして、榎本総裁もまたブラボーでした。なんて素敵なロマンチ(←なんかこれ当分自分内で流行りそう)。山南さんの時にも思ったんだけれども、なんでこんなに皆不器用なんですかっ!なんでもっと胸襟を開いて分かり合おうとしないんですかっ!いつもいつも分かり合うのが遅いんですよっ!それともそういう切羽詰った結論が出るところに至らないと分かり合うことはできないんですかっ!
もう男ってのはっ!侍ってのはっ!なんて不器用で素敵なロマンチなんでしょう(号泣)。
榎本さんが良かった。愛之助さんの男前っぷりがいかんなく発揮されていた。良かったといえば永井様(様付けだ)も素晴らしかった。「ごめんなさいでいいじゃないか」って、もうそりゃ全ての人に言ってあげたい言葉です。こんだけギリギリの戦いを続けてきたんですもの。永井様があの甲冑姿で言うから重みがあるのです。
不思議なもので、史実を知っているのにも関わらず副長が「勝てる」と言うと勝てそうに思えるんですねぇ。現場(史実含む)の皆様もきっとそういう部分があったんじゃ?副長が勝てると言えば勝てるのだ!と。榎本&大鳥さえもそんな副長マジックにかかったに違いないっ。と思いたい。思いたいのよ。
副長が撃たれるシーンは実はもっともったいぶってやるに違いないと勝手に思っていたので、案外とあっと言う間に撃たれてしまって完全に不意打ち。えっ?えっ?と思っているうちに撃たれているじゃないかーっ!でも実際こういうものかもしれない。そりゃあ私たちは史実を知っているから、もうすぐだ、大変な出来事が起こるぞって身構えているけれど、この瞬間の副長もその周りの皆もそんなこと思っていないわけで。逆にそれがするっと行われてしまったことで悲しみ倍増。
生きること勝つことに副長が転じた途端、命を落すことになるというあまりにもあんまりな素晴らしい脚本。ついでに副長の胸の中に山南さんの存在を最後まで匂わせてくれてありがとう。
そして細かい突っ込みは以下の通りっ。(順不同)

  • 鉄、可愛過ぎっ。そりゃあ土方さんじゃなくても逃がしたくなるっ。
  • 島田さん心底副長を愛しているのね(涙)。
  • ここまで尾関さんがクローズアップされることってあった?
  • 相馬さん、山南さんを悪く言うでない。世間の山南ファンを敵に回したぞ(笑)。
  • 土方さん、榎本さんに「無理だ」と言うほど山南さんをかっていたなら何故あの時っ(涙)。
  • 容保公は戦火の中でもいつもの殿なのね。
  • 大鳥さん、なんでそんなに丁寧に模型を作るのかしら?
  • 「びーっくりするようなことを言うね」by榎本の「びーっくり」が好き。
  • ついでに熱くなってくると江戸っ子っぽい口調になる榎本さんが好き。
  • 「最悪のことを想定する」のは、山南さんの遺言(?)ですね土方さん。

斎藤さんが会津に残った流れはすごく納得。そうであって欲しいというか、少なくともこの大河の流れの中ではこれ以外考えられない。ついでに近藤さんのお墓の前での殿との3人の位置関係が良いですよ。殿の隣に斎藤さんだもの〜。「あんたは心置きなく戦ってくれ」って、戦うのはあなたもなのよーっそりゃ〜大変な目に遭うのよーっ!と心で叫ぶ。でも「託した」「承知」で何もかもオッケーです(←馬鹿)。これが二人が最後に交わした言葉になるのね(涙)。
試衛館ズのシーンは見事なまでに皆あの頃の試衛館ズになっていましたねえ。なんかあの頃に撮っておいたんじゃないかっていうくらい自然でした。けども、三谷さん自身がサービスと言ったとおり、もしかしたら作品的にはこのシーンはいらなかったのかもしれない。もちろん見ることが出来て眼福ではあるんだけれども、純粋に作品として考えたらどうだったんだろう?いや、これは素直に頂戴しておくのが良いのでしょうね。きっと。
全部終って流れたあのテーマ曲にやっぱり涙が滲みました。エンディングに流れるこの曲がこんなに切ないなんて。いつもいつもわくわくさせるオープニングの曲だったのに。でも全部終ったんだなと。これでもう全部が終りました。という気持ちにさせてくれました。大河のときみたいに「続きがみたい」とか「来週からどうすればいいの?」とか言いません。
恐ろしいほど清清しく爽やかに。もうありがとうという言葉でしか表現できないですねえ。三谷さんありがとう。あとは自分がここから脱却できるかどうかだけが問題だ(あんまり自信ないけども)。