新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

黒龍の柩

読み終わりましたーっ!面白かった!
つうか、山南さんがかっこ良過ぎてびびりましたよ・・・まじで。上巻の前半(ということは全体の4分の1)くらいで切腹と相成るので、出番は短いのですけどね、いやオトコです。この山南さんは。かっこ良過ぎて「これ本当に山南さん?」っていうくらいです。
ウチのへそ曲がり神経質とは違って人物のデカさというか、土方さんを凌ぐ器を感じさせる登場の仕方でありました。間違いなく私の中の山南像ナンバー1。大河を越えたような気もする。大河の山南さんは途中から悩み始めますからね。「黒龍〜」の山南さんだと頭に堺さんは浮かばないです(笑)。すいません、浮気な体質なんです(汗)。優男じゃなくて、もっとビシッとした感じ。始まりが池田屋なので、何しろ出番が短いのが惜しいなあ。
それにしても後半は(いや前半からか)政治的な動きの中にどっぷり入っている土方さん。それはそれで「なるほど〜」という気もしましたけど、もしそうならもっと痛快にざっくり行って欲しい気もしたりして。いやーとにかく政治に(というか勝海舟に?)振り回されて苦労している土方さんです。この勝海舟は絶対野田秀樹さんでぴったりですね(笑)。面白いのは榎本&大鳥がかなり器の小さい人に描かれていることなんですけど。申し訳ないと思いつつも笑ってしまった!笑うような小説じゃないっつうのに。
話が全体に蛇行気味なのは、きっと新聞連載だったからなのだろうな〜とか思いつつ。でもそういうぐだぐだと寄り道気味になっている話って、それはそれで面白くて実は結構好き。一本筋を通してすぱーんとしているのもいいですけど。ま、短編だったらそうでなけりゃしょうがないけども、こういうボリュームのあるもんはぐだぐだ感もよろし。もちろんそれはぐだぐだなってる中に、ちゃんといちいち山場があるからなんだけどもね。
最近ちょっと気になっている中村半次郎の登場が多いのも良かったな〜。難を言うなら近藤さんとの別れがとっても簡単な印象なのと、斎藤一の扱いがあんまりだーっ!というところでしょうか。こういう大胆な展開なら斎藤一も上手く利用してくれたら良かったのにー。思いっきり可能だったと思います。きっと北方氏、斎藤一に興味がなかったのね・・・ぐすん。
終わり方には何も言うますまい。こういうのは良いも悪いもないですからねぇ。まあ心のどこかで願う結末ではありますけども。途中からこうなるだろうなという予測もついちゃったりして。
まーなんにしても楽しめました。エンタテイメント的に面白かった!やっぱりこれくらい大胆な展開のほうが楽しめるのかな。
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