新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

新人くんよ突っ走れ!

10ヶ月間も私を縛り付けてくれていた仕事がやっと刷りの段階に突入。この素晴らしき開放感!終わった〜と思った直後は何もする気が起きないほど力が抜けましたねー。もちろんその間別な仕事もドカドカ割り込んで来ているのですが、やはり編集者としてすべてを進行させて刷りまで持っていく仕事というのには相当のエネルギーが必要だったらしくて、今更疲れがどばっときました。こりゃ燃え尽き症候群だわ〜と、全然仕事する気が起きないなあと思った。しかしそれも3日程度で(笑)。3日休んだたら物凄く暇に思えてきて、仕事したくなってきた。仕事がないのがつまらない。恐ろしき貧乏性。
で、また明日から文句言いながら仕事は続いていくわけですが。新人編集さんが私に仕事をくれるというので打ち合わせに行ってくることになりました。新鮮です。仕事をくれる立場なのだから、もっとガンと来てくれてもいいのに、なんか電話の声がものすごーくおずおずとしているように感じたのは私の思い込みかしら?私ってそんなに怖い?
私は常々思うことがあるのです。なぜ新人さんは突っ込んでこないのか?と。不思議でならない。特に私の場合出版業だったので、正直なところ先輩は「わざと意地悪してるのか?」と思うほど何も教えてくれないものでした。なのでそこは逆手にとって、勝手に周囲の仕事を嗅ぎまわったり、勝手にあちこち顔出してみたり、勝手に手伝ってみたり、勝手に真似してみたりと、本当に勝手に仕事を覚えました。つーか、そうしないと何もやることがなかった(そのバイタリティこそが編集者の力量になるのだと後から感じた)。
黙っていたら幽霊状態になってしまう。「これはこうやるのよ。やってみて」なんて言ってくれる人は一人もいない。なので打ち合わせに行きそうな人がいたら「私を連れてけ」と無理矢理くっついていく。偉い人の来る会議があったら「出席させろ」と勝手に入り込む。取材があったら「私が書く」と勝手に原稿を書く。芸能人が来るとなれば「私がお茶を出す」と勝手に茶を入れる(←これはあんまり深い意味はない!)。
まあ、一事が万事そんな調子で「半人前の癖に勝手に仕事を動かすな」と怒られたこともありましたが、そんな時は泣きながら(←ここが情けないところだね)「いちいち先輩に伺いを立てなければいけないことではないはずだ!」とか「あんたが忙しそうだからやっといてやった」くらいの勢いで食って掛かってました(←さすがにちょっと若気の至りという部分もあって赤面ですが)。それでもそうやってがむしゃらにやることで捻くれた先輩も「いい根性してるねえ」と呆れ半分に御飯奢ってくれるようになったりとか…(ラッキー!)。
仕事ってそんなもんだと思っていたので、職場を変わったり、フリーになったりして周囲の若者が何も私に突っ込んでこないのが不思議でならなかった。仕事したくないのかな?と思ったり。聞いてくれれば私にわかることなら何でも伝授できるのに、殻に閉じこもってるみたいに見えないところでごそごそとやっているのが不思議でしょうがない。特にフリーになってからは、私は組織に属していないから立場的に差し出がましいことはできず、正直私に直接関係はないのだけどフラストレーション溜まりました。
でもある時、少し年上のまったく関係のない仕事の人(オーディオ関係の設計技術屋さん)とプライベートで話をする機会があったとき、彼は言いました。私の感じていることと同じことを彼は感じていましたが、しかし「若い子が突っ込んでこないようにさせているのも自分たちなのだ」と。意図的であろうとそうでなかろうと、突っ込まれる側=私たちにも何か問題はあるはずだと。
確かにね〜。人それぞれだとは思いますが、「ほれ!かかってこい!」というようなスタンスは持っていないかもしれないなあ。相手が泣きながら必死に喰らい付いてくるくらいの、パワーをこっちが見せるのも必要かもしれないし。もしかしらたら「たいしたことねーよ」って舐められてるのかもしれない。ケースバイケースとは言え、「聞きにこないアンタが悪いのよ」って冷めた目線を向けているのは事実だったりして。いつのまにか立場は変わっていたんですよね。逆の視点で考えなければいけない部分もある。たまには喧嘩を売るのも必要か?確かに底意地の悪い先輩のこと、はっきり言って今も大嫌いですけど、でも彼女から学んだものは数知れないし。
でもやっぱり思う。でも結局それで何も得られないまま漫然と過ごしてしまうのはどっちだ?そのまま成長できなくて、それを後で私たちの所為にするのは簡単だろうけど、それは結局自分にかえって来るもの。身の程もわきまえずに滅茶苦茶やれるのは、新人のうちだし、今のうちに突っ走った方が面白いんじゃなかろうか?と思う今日この頃。
そして立場が変わったはずの自分も、まだまだ突っ走るべきなのではないかと、びびりながらも新しい仕事に突入するのでした。