新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

ご住職ってば

我が実家の菩提寺はすぐ近所のさほど大きくはないお寺。前のご住職は母の友人であり、そして今のご住職は弟の同級生。我が家の葬儀では、お経をあげに来てくれたご住職がお香典を持参するという…なんとなくヘンな雰囲気が。お布施も微妙にまけてくれるという、なんとなくミョウな流れが。それなりに開けた新興住宅地とは思えない、昭和な香りが漂っています。
ここのお寺さん、前のご住職は早くに亡くなられて、今はまだ三十代の息子さんが継いでいるんですが。久しぶりに会った彼はすごく貫録のあるかっこいいお坊さんになっていてビックリ。お経をあげる声もなかなか低くて深くて通りが良いし、がっしりとした体格に鋭い眼光…なんとなく市川海老蔵を軽くつぶしたような感じ(笑)。思わず「もっと檀家増えてもいいんじゃないか?」というよこしまなことを考えてしまいました。
でも彼のお母様いわく「まだまだです。今は修行に出ているんです」とのことで。普段は親戚筋のお坊さんがお経をあげるのだそう。今回はウチということで、急遽呼び戻されて来てくれたらしい。
なんだかそれも少し嬉しい。
繰り上げ初七日法要まで終えると、ご住職は振り返り、「それではみなさんに少しお話を〜」とナチュラルな説法。これもここのお寺さんの特徴。前のご住職のときから、法要をやったりすると必ず最後に瀬戸内寂聴さんばりの説法をするんですねえ。これが短いけれどもさりげなく良い話ばかりで、実はこの説法ファンだった私は、息子さんがこれも継いでいることにちょっと感動。お葬式だというのに、なんだか嬉しくなっちゃった。
遠い親戚のおじさんも「前のおばあちゃんの法要のときには、確かこんな話をしていたよねえ」と、ちゃんと覚えているのが凄い。
悲しいばかりになりそうなお葬式で、なんとなくちょっぴりほっこりできて、心の整理ができた気分。
しかし終わった後の弟のコメントは「あいつ、頭禿げてきてんな。結構後退してるだろ」。
でもさ、坊さんなんだから禿げてても問題ないでしょ?