新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

錦絵新聞

とある方に誘っていただいて、千葉市美術館の芳年・芳幾の錦絵新聞というのを見に行ってきました。地元なのに、誘って貰うまでスルー状態だった私…。いや〜しかし面白かったですねえ。錦絵新聞!東京日々新聞と、郵便報知新聞という二つの新聞がたくさん展示されていたんですが、当時私が買うとしたら東京日々新聞ですね。なんかこう…節操がないというか、ネタになればなんでも描くぜ…的な気合とか勢いを感じました。絵も、イッパツで話の核心に興味を抱かせる感じというか。そういう意味で無駄な部分は排除、ポイントをデフォルメ…みたいな面白さがある。ナマナマしさも伝わってくる感じの絵。
郵便報知新聞の方は、ネタにもうちょっと美学がありそう。絵も「絵」として完成されている感じでしょうかねえ。描き込み方がすごいんですよねえ。事件の絵の背景の樹木とか、室内の装飾とか、そういうところまですごく描き込んであるので、とても絵画的な印象。飾っておくなら郵便報知。皆で回し読みして盛り上がるなら東京日々。
デザインにもそういう違いがあるような気がしますよ。東京日々が絵の中に本文を書き込む形態を取っているのに対して、郵便報知は別枠をとっているんですねえ。今の新聞に近いのは後者ですね。そういう意味でも絵は完全に独立した作品になっているような気がします。だから絵画的に見えるのかな?

いろいろ言ってる割に絵のことはまるでわからない私です。でもネタがあんまり面白かったので、図録を買ってきました。悲惨な事件なのに、短い文章と絵にまとめられると、その核となる部分が見えてきて面白いというか、どれも結局人の生き様なんだなあ…と納得できました。
昨今の世知辛い事件も錦絵新聞にしたら、核が見えるかも…。でも事件を紹介した最後に「その後犯人がどうなったかはわからない」と書いてあるのには笑いました…。誰か追跡調査して欲しかった(笑)。