新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

編集者徒然

今「ほぼ日」で編集者という仕事を知ってるかい?というのが連載されています。松田哲夫さんという、出版業界にいる人なら皆知ってる、出版業界にいない人にも結構知られてる方と糸井さんとの対談です。なんでもない楽しげな話をしてるんで、編集者に興味のない人でも読み物として普通に楽しく読めてしまうと思います。

これを読んでいてなんとなく原点に返らなくちゃいかんなあ〜と思いましたねえ。私も嘗て出版社というところで編集者という仕事をしておりまして、今となっちゃーそれがなし崩しになったようなぐちゃぐちゃな仕事ばっかりやってますが、このいろんなものを「面白がる」という姿勢がなくなったら編集者とライターとかって仕事は終わりだなあとしみじみしちゃいました。無論面白がったところで皆が松田さんになれるわけじゃありません。というか、絶対なれないと思います。
この「面白がる」も、頑張って「面白がる」んじゃなくて自然に偶然たまたま「面白がっちゃう」とか、結果的に「面白くなっちゃった」というような感じが大事。じゃー面白がれないときはどーすりゃいいんだよ…と思うわけなんですが、不思議なことに感度の良いアンテナをピンと張って生きていると、自然に面白いことが転がり込んでくる…という。そんなことを思い出しました。
この対談を読んで「楽しい人生だなあ、こんなの仕事にしてまったくよお」と思う人がいたら、それは大間違いなんじゃないかと思うんですよ。ときどき「編集さん?かっこいい〜」とか「面白そう〜」とかリップサービスで言ってくれる人がいますが、たいていの編集者は「面白くないですよ。しんどいし」って答えると思います。もしも「楽しいですよ〜最高です!」って答える人がいたら、よっぽど仕事してない人か、もしくは物凄く仕事のできる人。自然に面白がるために、自分をピンと張り続けるのは結構大変な作業じゃないかなと思います。それをやり続けられる人がいわゆる「名物編集者」なんて呼ばれてたりして、大抵1社に一人ぐらいはそういう人がいたりなんかしますが、他社だと「すごい編集さんだなー」って思えるのに、自社だと「参るよなあ、あの人」と思ってしまったりと勝手で申しわけない感じですが。まあそんなもんですよね、いずこも。

てなわけで、なんとなく興味深くこの対談を覗いているのですが、まだそれも三日目。この後どういう話をするのかわからないので、とっても的外れなことを私は思っているのかもしれませんが、それもまた面白いもんで(笑)。

例え編集者じゃなくても、子育てに翻弄されているおばさんであっても、面白いものが転がり込んできてくれるようにピンとしていたいなあと、ぼんやりそんなことを思った次第でした。