新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

勢いで契約

結局電話で要望を伝えるというのはあんまり意味がなかったと思います。あちらはプロなので的確に立体を思い浮かべていらっしゃるでしょうけれど、そりゃーウチの夫にはムリな話でした。とは言え、そんな要領を得ない夫の言葉に設計A氏は一生懸命耳を傾けていた模様。「そろそろ決めたがってるんだな」というのが伝わってきますよねえ。打ち合わせに行っては「やっぱり〜」と違うことを言い出す夫婦にしびれを切らしたという感じではなく、こちらが結構その気になっていて、しかもそこそこ満足しかかっているのが伝わったような感じです。

打ち合わせに行ってみるとやはり新しい図面がほんの数日で用意されていました。そしてこちらも手直しした素人図面を持参。それをすりあわせ、その場でまた新しいのを書いてもらいます。こういう時に設計A氏の引くパースのわかりやすさがたまりません。平面図ではなく、立体パースをささささっと引くんですが、これがねえ面白いことに彼は私たちのほうに方眼紙を向けたまま書くんですよ。彼にとっては反対向き。最初当然彼の方向から書いているものだと思っていたので「ん?一体何を書いているんだ?」という風に見えたんですが、「こんな感じになりますよ」と書きあがってみると私たちの方向が正面でした。すげー…絵心ゼロの私からするとこれはちょっとしたマジックショー。しかもこれを彼は後々も大量に書き続けるわけです。打ち合わせがいちいち楽しいんですけど(笑)。

てなことはさておき、お互いの持ち寄ったものをくっつけて「うお〜、これはいいよ〜」とちょっと拍手したくなるような間取りが出来上がりました。口では言い表しにくい私たちの抽象的なこだわりが網羅されてるー!!!ユトリもある、広さも確保されてる、動線もキレイ、夢も広がる…この時点で少なくとも私はもう建てる気まんまん(笑)。ここまでそれなりに自分も設計A氏も頭を悩ませてきたという気持ちがあるので、これと同じことを無料とはいえ他社でもう一回やる気はまったく起きません。というか面倒くさくてもう嫌です(笑)。ここでどこかしら不満があったら「他でもプランニングしてもらおうか?」という気になったかもしれないけれど。気持ちはもう「これ欲しい」という、プライスカードを見ないおもちゃ屋さんでのコドモみたいなもんです。

そこでドドンと営業I氏が取り出したるは見積書。仕事早いなあ〜と思いつつそれらをイッコずつ説明してもらいます。我が家は夫婦揃ってドンブリ勘定なので「こんだけやって全部でいくら」って言ってもらうのが一番助かります。細かい部分で「これはもっと安くならないのか?」とか「どこそこだといくらだ」なんていうのは絶対にやりません。単純にいくらあればこの家が建つ!というところのみが問題で…無論ここでとんでもない金額が提示されていたら「げ〜、ああ〜建て替えは夢だったのねー」ってことになったんでしょうけれども。
ぶっちゃけここで出された金額がとっても安かったのです(笑)。もちろんそこには「思ってたよりも」という枕詞がつくわけですが。
坪単価で単純に考えてみると、坪当たり10万近くも安い(笑)。そこのメーカーさんの平均坪単価で計算していたので、営業さんも「安く建ちますねえ」と大笑い。まずはでこぼこの少ないユトリはあるがムダのない(←気に入ってる・笑)シンプルな間取り。地盤改良などの必要ない土地。間取りと全体の雰囲気以外に拘りのないドンブリ夫婦。というのが功を奏したようです。エアコンとか、キッチンとか、洗面台とか、いろんなもんがそれなりに入ってこのお値段!どうです奥さん!みたいな状態(笑)。もちろんここからいろんなものをグレードアップしたりとかすれば金額はうなぎのぼりになるわけですが、とりあえずこの状態で、エアコン付きのすぐに住める家は建つらしい。しかも細かいところを見ると屋根がスレートじゃなくて瓦になってたりとか、キッチンがオリジナルの中ではいちばん高級なのがついてたりとか、「高めに見積もっておきました」との配慮(なのか?)。
一応つけたしておくと、ここには若干のカラクリもあります。年末だということもあり、営業所内の事情とやりくりがあって何やら随分なお値引きもあり。何が何でも契約をとりたいのだ!という若干切羽詰ったような師走の雰囲気が滲み出ているのです。

続いて取り出したるはローン返済プラン(笑)。周到だなあ〜と一応突っ込んでみましたが、一応これが一番大事。お金を貸してくれる人がいなくちゃいくら安い家でも建ちはしません。細かい金利のこととか、正直私はとっても苦手。夫はそういうことはそれなりに計算できているらしいのですが、彼は家計のことは一切わかっていないという、やっぱりこの期に及んでドンブリ夫婦。
「返せるのは毎月いくら、ボーナス時いくら、年寄りなんで20年〜25年で組んで」という乱暴かつシンプルな注文を受けて営業I氏は数字をたたき出します。無論これには隣の土地をムリして買ってしまった残債も入れて…。と、計算機を叩くI氏の手元に注目。「一応条件内でクリアできてますけど」というI氏。一番ほっとしたのは多分I氏(笑)。
一生懸命金利のことなど説明してくれていますが、そっちは上の空でして(すみません〜)、とりあえず聞きたいのは「つまり毎月これだけ払えれば、この家は建つんですね?」「はい。建ちます」。そうよその一言が聞きたかったのよ〜。

しかしここまできて営業I氏。「もしもわが社を選択肢の一つとして加えていただけるのでしたら…」とあくまで低姿勢。I氏、ここはぐぐっともっとプッシュすべき局面ではないのか!と、若干上司の気分にも。「押しがあまーい」と言いそうになるのをぐっとこらえ、「決めるべし」と夫に目配せ。だってどうみてもこのお値引きカラクリは年内有効系だもん。夫は何を決めるのにも、99%決めているくせに残り1%をいたずらに悩んで引き伸ばそうとするタイプ。これはいかん。こういうときはサクッと決めないといかんのだ…私の動物的勘が嗅ぎ分けているんだもん。ふむふむ無意味に書類を覗き込んでいる夫に痺れを切らし思わず「建て替えるならこちらでって思ってましたから、お願いします」と夫の背中をどつく嫁。

帰り道。
「相変わらず決断力あるねえ」とぼやく夫にちょっと不安になった私。「え?やだった?今ならまだ間に合うよ、戻る?」「いやいやいいんだよ。ただ早いなあと思ってさ」。事実上勢いで私が決めたことになってしまいましたが、本契約はクリスマスイブ。それ過ぎちゃうと年明けになっちゃうからさ。じつのこの仮契約の2日後に本契約。あわただしいけどもさ、なんとなく気分が盛り上がって楽しいではないか…わはは。