新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

新選組局長主座芹沢鴨

新撰組局長主座 芹沢鴨

新撰組局長主座 芹沢鴨

鴨さん関係の本を漁っていてたまたま読むことになりました。案外「鴨主役」な小説って少ないですね。題材としては面白そうなのに。文庫も出ているようですが、私が読んだのはこれ。
水戸にいた頃、尊皇攘夷の名の下に近隣の商家から大金を巻き上げる鴨さん。この頃からゆすりたかりはお手の物(褒め言葉です)。好き放題やってます。清河八郎とは面識があり、彼の目論見を看破した上で上洛するというのは面白いなあと思いますが、死に際はなんだかあっさりしすぎてて物足りない。水戸にいた頃の暴れん坊ぶりはどうしちゃったのよん?な雰囲気でちょっと勿体無いなあと。人物的には見所のある面白い人に描かれているんですが。新見さんとも凄い仲良しだし。

好き嫌いの別れるところは頻繁に出てくる性描写でしょうかね。ここの鴨さんはちょっといい女みつけたらすぐさま手篭めにするというタイプ。数ページに1回女を抱いてます(笑)。その上描写も案外細かい…(笑)。面白いのはそういう行為の間に必ずと言っていいほど「尊皇攘夷とは」とか「武士というものは」とか「時勢の動きは」とかご大層なことを考えるんですねえ〜。きっとそれがこの作者のスタイルなのだな…と。このエロの頻度はもしや何かの連載だったのかなあと思って、ちょっと調べてみましたがわかりませんでした(てか、まいっかと思ってしまった)。でも調べていたら割りとこのエロ描写は非難されていることが判明(笑)。行為のパターンが少ないのには「もっとバリエーション持たせないと、鴨も女に飽きられちゃうぞ」とは思いましたが(←そっちかい!)。どうやら女なんてこうすりゃすぐに抱けるんだぜ…みたいな設定に嫌悪感をもよおす方が多い模様です。そりゃそういう女ばっかりじゃないだろうなあ〜とは思いますが、そういう女もいるだろ?とも思います。何にせよ男のロマンというやつなんですかねえ?オジサマはこういうの好きなんでしょう。でも鴨の性格とか設定によっちゃわかんなくもないぞ…抱かれる女の気持ち…とか(笑)。

何にしても剣士としての部分もエロの部分もちょっと表面的な感じで、話の流れとしての説得力が甘いかなあ。新見さん切腹あたりで「おや?」という展開だし。近藤さんのこと蔑んでいるのか認めているのかわかんないし。物足りない。
たらし男設定の土方さんが鴨に「女でも負けた…」って悔しがるのが、凄い楽しいんだけどね。