新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

ビデオの整理

子供が生まれてからと言うもの、一般家庭並みかそれ以上にホームビデオというのは撮っていて、さすがに最近は子供もそこそこ大きくなってきたので無闇に撮る事はないんですが。上の子が生まれたころから撮っていたのがDVCで、今使っているのがDVD。これ放っておくと昔のが見られないじゃん…ということで夫がそれをHDDにダビングしはじめまして。これを全部DVDに焼くという、かなり面倒な作業が目の前に。

しかしここで大きな問題が。

上の子が生まれた当初の3年間ぐらい、つまり我が家が一番はしゃぎまわってビデオを撮りまくっていた時代のビデオには、弟の元ヨメが映りまくっているのです。元ヨメと言うぐらいだから、弟はすでにバツイチで、現在再婚してごく平凡に暮らしております。それがどうしてもひっかかるんです。
「それも一つの記録じゃん」と思えなくもないんですがね(笑)。別れるときに、もうそれはそれは壮絶なやりとりがありまして。いいんですよ、離婚なんて変な話本人同士が納得していればなんだって。でもはっきり言ってあの一件は、頭の硬い私には未だに納得のいかないやりとりだったんです。オトナなのだから、別れたいならはっきり当人同士で話をすればいいことなのに、卑怯極まりないやり口に私の頭は当時火を噴きました。当事者でもないのに…というより、当事者が一言発することも許されないやり方に当事者でない私の理性がぶっとんだというか。
写真なんかは当時私が勢いに任せて捨てました…勿論そこにわが娘も一緒に映っているわけなんで、辛い思いはちょっとありましたが。ぶっちゃけちゃうと、私は彼女をすごく憎んでいるんですね、きっと未だに。勿論口にすることももうありませんが。

まあそんなドロドロした話はおいといて。

当の娘は赤ちゃんだったので勿論その存在は覚えていなくて、弟のお嫁さんと言えば今の人。だけど「生まれました!」っていう、病院でのビデオには元ヨメが我が子を無表情に抱いているショットがどーんと映っているわけです。どうしましょうよ…これ。
さすがに夫も娘たちの前でそのビデオを編集する気にはなれず、深夜こそこそやってます。円満離婚だったらもうちょっと大きくなったときに子供たちに理解させて、ビデオはそのままでも良いような気がするんですが、何しろ私が彼女を憎んでいる以上そういうわけにもいかない。今でもそれを見るとムカムカしてくるんだもん。かわいい我が娘のビデオ。思い出のビデオ。

結局夫は「カットする」と言って、彼女の映っているシーンを思い切り良くばっさばっさと切っていきました。お陰で1時間もあったはずのクリスマスパーティーがほんの8分に…(涙)。

人を憎むという感情はどういうものなんでしょう?例えば今更謝ったり、理解しあえたりしたからと言って、あの時の非情なやり取りや言葉の数々は今更どうにもならないし。きっと頭で許せても、心は戻らないと思うし。自分にここまで人を憎む心があるというのも驚きなんだけど、貴重な子供の成長記録だった筈のホームビデオをばっさりカットするやるせない気持ち…彼女にわかるかなあ。何故あの時、もっと普通にきちんと筋道を立てて自分の気持ちを告げてくれなかったんだろう?同じ結論に辿り着くとしても、それだけでまったく違った感情が残ったに違いないのに。と、5年経ってもまだ思っている私は執念深い女なのだろうか。陰気で嫌なやつかもしれない…。

いろいろ考えて悶々としつつも、今本当に穏やかな日々を手に入れることが叶って、幸せそうな笑顔を見せてくれる弟を思うと、「ビデオのひとつやふたつは関係ないっ!」と思わなくちゃいけないなあと。
物より思い出。娘たちには、不自然にカットされたビデオよりも、今心から愛してくれる叔父叔母がいることの方が大切だろう…と、でも今ならそれくらいのことは思える。
大きくなってわかるようになったら、それをちゃんと教えてあげなくちゃと。でもやっぱり、思い出すと腹が立つ。カットしながらちょっと泣けてくる…。