新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

映画ハチクロ

観に行ってきました。日曜日ということもあって結構込み合ってましたねえ〜。7割くらい埋まってた感じ。平均年齢は激しく若いに違いない!と思い込んでおりましたが、案外そうでもなかったみたい。中学生ぐらいの女の子とお母さん、というような人が多かった印象で、私もそれぐらいの子がいてもおかしくない年齢なので、なんとなく紛れることができた(笑)! しかも隣が同じくらいの年代の男性だったので、落ち着いて観れましたよ(笑)。ハチクロ特製ハニーポップコーンなんて買っちゃった♪


以下ネタバレ含む感想です。



一言で言うなら「これは別に若い子の恋愛モノじゃない」。
この映画を観るにあたって、所謂主人公たち(美大生)年齢以上の人というのは、どうしても「なんか恥ずかしくなるような青春モノだろ?」とか「ごたごたする恋愛モノだろ?」とか思ってしまいがちだと思うんですが、でも大人が観るのにも充分耐えうるつくりだと思いますよ。というのは、これ贔屓じゃなくて堺さんのポジションがとっても重要だから。花本先生は何をするでもない。もしかしたらいなくても彼らの恋愛模様は変わらないかもしれない…というより、先生はそれに手出しも口出しもしない。見守りオンリー。その視点がものすごく大人なんですよねえ。「俺たちにもああいう頃があったの、忘れちゃった?」みたいなセリフを理花さんに言うシーンがあるんだけども、結局そこですね。彼女は「忘れたわ」とつれなく言い放つんですが、誰でも大人はちょっとそういうところあるじゃないですか。「あの頃は青かったから」って、今だとちょっと恥ずかしくなるようなこと。振り返るとちょっと恥ずかしいんだけど、でもそれをやってる最中は夢中だったなあ〜って。恥ずかしげもなくそれを目の前で繰り広げられて、もうなんだかとにかく見守ってやりたくなること。これ若い子はお母さんなんかと観るの正解だと思いますよ。「お母さんにもこんな頃あったんだろうな」ってさ。

だって何しろ私がぐぐっときたシーンは竹本くんがチャリで夜道を必死に走っているところへ、中村獅童さん演じる大工(修復師)さんが車で併走するシーン。彼の言うこと、やることが私たちのできることのすべて…って言うくらいちょっとじわっとしちゃった。「若者よ、やれるときにやっとけよ」という気分。

でももちろんそう思えるのは、美大生5人がなかなかステキだからなんだけど。これはもうストーリーの持って行き方が良いのですよね。恋愛モノだけど、これは恋愛だけを描いたものではないもんね。大学生くらいの、なんだか世の中とか社会とかの仕組みがちょっとわかってきた頃の複雑な感じが端々に。社会ってもっともっと厳しいんだ、というのに気付いてしまって、それに反発したい気持ちもあって、でもそれにたてつくほど子どもじゃなくて。ここで物わかり良くなってしまうのか?それとも青春の最後にもっかいだけ抵抗してみるのか?みたいなね。
そこに先生とか、仲間とか、男女とか言う人間関係が絡んでいるだけで、よくよく考えれば別に恋愛モノじゃないよ、これ。
右も左もわからないけど、なんか一生懸命ジタバタしている人たちのちょっと甘酸っぱいお話なんです。

堺さんねえ、良かったですよ。これは竹本先生そのものじゃないかと。私も思わず「無精髭にかんぱーい!」ってしたくなるもん(笑)。タバコはハイライトだし。これ私の感覚ではおじいちゃんのタバコなんだけど。違う?
見守り目線の温かいこと温かいこと。こんな穏やかな目で見守られたら、枯れかけの私でも、思わず芽吹いてしまいそうですよ(笑)。それにしてもタバコをふかしながら何か言おうとするときに男の人がちょっと目を細めるのはなんなんでしょうか?あれってきゅん!と来ますよね。来ません?
少ない出番をまったく「少ないなあ」と思わせないのはあとの5人が結構良かったから。
イチバンはやっぱり加瀬くん。真山いいよ〜。自称ストーカーだけど、一番現実世界に近いもん。温泉で曇った眼鏡のままでズケズケ言うところなんかステキ。車直しながら竹本くんにさり気なくショックを与える姿もまた…。花本先生以外なら真山がいいなあー!ってこれマンガ読んだときにも書いたか?
伊勢谷くんの森田っぷりも思ったより良かったです。森田は難しい役ですよねえ。天才ってどういうモノなのか知らないので(笑)。でもここに出てくる森田は天才というよりは、早くに才能を開花させてしまったが故に天才呼ばわりされている子…という感じかな。それと天才はどこが違うのかと言えばわかりません。
竹本くんははまってた!美大生らしからぬ美大生。花本先生が、「(はぐに影響を与えるのが)寧ろお前だったらな」というようなことを言いたくなるのは大人として激しくわかる!竹本くんが実は一番いい。マトモだ。そしてかわいい…バンビだ。
はぐちゃんの蒼井優ちゃんは本当にかわいくてねえ。こんな子いたらお持ち帰りしたくなりますよオバサンは(笑)。160センチもあるコロボックルはどうなんだよ…と思った自分を恥じました。小さい!ちゃんと小さい感じに見える。小さくて、自分の世界と外界をどうやって繋げばいいのか戸惑っている子にちゃーんとなってる。
あゆちゃんの関めぐみちゃんも良かったねえ。実は2番目にぐぐっときたのはあゆが真山におんぶされて歩いているところ。背中でヨダレ(ではなく涙)を流しながら告白する姿にぐぐぐっと。通じない辛さを思い出しましたよ(笑)。しかも相手が自分に不満を持っているわけではないというのが余計に辛いのだよ…。

てなわけで、マンガで未完のものをどう描くのか興味あったんですが、上手いですよね。最初に書いたとおり、恋愛モノとして描かないことで上手くまとまったんじゃないかと。最後に流れたスピッツにやっぱり胸がきゅんと。なんかきゅんきゅんし過ぎな自分を反省しつつも、ほんわかした気分になりました。
大人も観るべし。

でも一番ツボだったのは藤原兄弟。皆何故あそこで笑わなかったんだろ?笑い堪えるの結構辛かったぞ。