新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

箱館売ります

久々に本を読んだ〜という感じ。アンソロジーとかはちょこちょこ読んでいたのですけどもねえ。

箱館売ります―幕末ガルトネル事件異聞

箱館売ります―幕末ガルトネル事件異聞

面白かったですねー。
函館戦争時の裏側というか、まったく違う側面というか、所謂土方さんが出てくる函館ものというのにはないサイドからの話。プロシア人・ガルトネル兄弟が函館に持つ租借地。これを利用しようとロシア人が背後で画策。五稜郭の幹部でそれに気付くのはもちろんあの人…という展開。
土方さん出番少ない割りにめちゃめちゃ格好良いです。この土方さん、結構大人の落ち着きと寡黙さとを持っていて、思うところあっても滅多に口を開きません。なのにここぞというところで多摩のバラガキっぷりを発揮するってのがツボです。案外こういう人だったかもという気もします。普段は地味で言っても無駄なことは言わないような。で、面白そうだな!と思うと無茶苦茶やり出すような。熱い男っていうんじゃない土方さんが素敵でした。
そして大鳥さんとの対比が面白過ぎて笑っちゃいます。個人的には大鳥さんのキャラ、やりすぎじゃん?とも思うのですが、間違っていると言う感じではないですね。榎本さんが案外影が薄いかなと思いつつ、でもやっぱり見せ場はカッコいいんだな。人見さんもなかなかいいキャラで。新選組隊士では鉄之助くらいしか出てこないんですが、皆キャラが立っていて楽しめました。
テンポも良くて痛快でありながら、重い部分もあるし、やっぱり最後はちょっと切ないし。エンタテイメント作品として楽しめました。