新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

雑多に

闇に灯る―寺子屋若草物語 (徳間文庫)

闇に灯る―寺子屋若草物語 (徳間文庫)

久しぶりに時代小説を読みました。シリーズものの第2弾。
つっかかるところなくさらさらっと読み進められる小説というのは、とっても心地よいのですが、終盤残りページが少なくなってきたところで「んんん?」と。普通っぽい展開の中にミステリーっぽい要素ありで、いつの間にかきれいにサラっとつながって終わるのがこの方の特徴だと思い込んでいたんです。考えてみると事件らしい事件が起きてない。いや、思い当たる部分もないわけじゃないので「コレが実はこんなことだったんですよ〜」というどんでん返しがどこかにあるだろうと勝手に思ってしまって、残り僅かになってもその気配がないことに何故か焦る(なんで私がっ・笑)。
まあつながらなかったわけでもなく、ストーリーとしては残るものもあり…不満足というわけではないのだけど。でもなんだかそういう精神論みたいなもんで話が決着すると思ってなかったので、ちょっと消化不良。
若いうちに読んでいたらきっとどこかでほっこりできた話だなーと思います。でもやっぱりある程度の年齢になると、人間の割り切れない部分がむしろ好きになるというか…。良くも悪くも上品な作品群なのだな〜と思いました。

で、一方その辺の割り切れなさがグイっと出てくる現代もの。

セレモニー黒真珠 (ダ・ヴィンチブックス)

セレモニー黒真珠 (ダ・ヴィンチブックス)

ダ・ヴィンチに掲載されていたのを読んでいたのだけれども、こうやってまとめて読んでみると人間のねじ曲がり方がとっても巧妙で、雑誌の時よりも印象が強い。むしろ雑誌で読まずに、いきなり単行本で読みたかったかも。書き下ろしも面白かったけども、やっぱり断然本編の方が深い気がする。
以前、葬儀屋さんを取材したことが何度かあったので(そういう仕事もしているのでした)、その辺のリアリティは結構ドシンと来たかな。

普通に「面白いな…」と思える新しい作品はたくさんあるけれども、「もっと読みたい〜。続き続き〜!」と思える作品って最近少ない。それはたぶん自分の感性の変化によるもの。何を面白いと思うかの基準が年齢とともに変わってきているから。
だから自分が書く文章も、書いたときは「これだ」って思えるのに、時間が経つと書きなおしたくなってくるんだな…きっと。

で。上記2冊は最近読んだ中では「もっと読みたい〜」と思える作品だったかなー。やっぱり、良くも悪くもキャラクターが立ってる話が好き♪