雨の塔
- 作者: 宮木あや子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
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というわけで、物凄い閉塞感のある話。それだけの閉塞感がある割りに飽きなかったのが不思議。
面白いんだか面白くないんだかわからない話だったな。自分で読んでどっちかわからないっていうのも変なんだけど。読み終わってなんだか妙な物足りなさを感じるんだけど、その「足らない感じ」こそが、これに出てくる女の子たちの心なのかな…と思ったりして。何かが足りない状態だと、無意識にそこを満たそうとする行動に出るんですかねえ、人というのは。例えそれがその人にとっての「普通」だったとしても、やっぱり心は無意識にその欠如を補うアイテムを探すのかも。
なんていうことをじんめりと湿った雰囲気の中で思ってしまう。雨の日に読むと余計にじんめりするけど。
「最高に面白い!」っていう作品よりも、こういうちょっと足りない感じの話の方が繰り返し読む気にはなれるかもしれないな…と思う一冊。