新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

契約余談

クリスマスイブの契約…休日だというのにショールームは閑散としておりました。そりゃあ年も押し迫ったこんなときに打ち合わせに精を出す人もいないでしょうよねえ。でもまあ我が家は夫いわく「営業Iさんにクリスマスプレゼントだ」と実印を押しに行ったのでありました。

毎度娘たちがちょろちょろとお邪魔しているので、I氏気を利かせてブーツのお菓子なんか用意してまってくれてましたねえ。こういうものは値段じゃないからね。気持ちよ、気持ち。そういうのってありません?ずっと前に言っていた言葉を覚えてくれていたとか、子供の言っていることに真剣に耳を傾けてくれたとか。そんなもんで家のクオリティがどうこうなるとは思いませんけども、長いお付き合いになる以上、気持ちの良い関係を作りたいから。何かあったときに「あの人ができないって言うんだからしょうがない」と思えるか「やっぱりあの人は手を抜こうと思ってるんだわ」と思うか。どっちでも同じ結論になるのならば、前者の方がいいに決まってる。浮気と一緒でね、騙すなら気持ちよく騙されたいの…(え?違う?)。

という話はさておき、このときの設計A氏の言葉が印象的でした。設計さんは契約に際しては隣に座っていても一切口を挟まず、じっと見守っている感じ。なんとなくそこがプロに徹している気がして好きです。これを「自分は関係ないもんね。それは営業の仕事でしょ」という態度にとる方もいらっしゃるかもしれませんが。私はどちらかというと「餅は餅屋」発想が好き。設計は設計のことに全力投球する。なんとなくじいっと契約が終わるのを待つ姿が「これからがほんまの勝負。ええもん作ったる」という気合の入った姿に見えたんですよ。で、大体の日程なども説明を受けて、いよいよ今年の秋には新しい家になっちゃうことが確定。
でもってこの時彼はこう言ったんです。いつもとおりの表情の読みにくいクールな顔のまま。

「春には今の建物を解体することになります。写真とか、いっぱい撮っておいてあげてくださいね」

この人、きっと心底「家」が好きなんだろうなあって。撮ってあげる…って誰に「あげる」って言ってのよ…って感じですが(笑)、間違いなく今の「家」に向かって言ってる模様。この家、私たちが建てたもんじゃないですが(中古で買ったから)、そのとき建てた施主さん(近所だったのでちょっと知り合い)、建てた大工さんの思いってあっただろうなあと思うんですねえ。そこに曲がりなりにも8年住みました。ハッキリ言って狭くて住みにくく、それほど愛着というものもないんですが(笑)、子供たちにとっては思い出の家だろうしと思うとちょっと感慨深いものが。私自身、小学生のときに家を建て替えていて、古い家のことを結構思い出します。ボロ家だったけど、あれはあれで味があって良かったなって。子供目線では広さとか、古さって関係ないんですね。狭いお風呂に皆で無理やり入ったりとか、モノがあふれている押入れの中で遊んだりとか、そういうのが一番記憶に残ってたりしますし。

まあそれやこれやと、柄にもなくちょっと感傷的になったイブだったのでした。