新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

仕事

普段だったらあんまりお話しする機会のなさそうな方とお話できるのがこの仕事の良いところ…って思うんですが。
私設でホールをやっている方とお話する機会がありました。ご自宅を建築する際に、そこにホールを作ってしまったという凄い人(女性)なんですが。50人くらいは入るのかなあ。プロの方を呼んで本格的な演目をちゃんと披露しているのです。何が凄いって、別のお金に余裕があるとかじゃないってのが凄い。なんて言うと変な感じなんですが、すごい行動力の方なんですね。思いついたら迷わず(いやちょっとは迷いながら)ずんずんやる。その結果想定の範囲外のことが巻き起こっても「うわー困ったなあ」って言いながら笑ってる。そんな人。
盛況なんですが、結局損はしていないという程度で、あんまり儲からないので食べていくのはもっぱらご主人の収入なのだとか。でも逆に言えばご主人の収入は家庭のことにしか使わず、ホールのことはホール内で収支するのだそう。マイナスになったら辞める約束なんだとか。
これを恵まれた環境と思うか、シビアな環境と思うかは人それぞれでしょうけれど、それをわざわざやる行動力と根性は凄い。何の伝もないのにいろんな人にアプローチして、出演してもらうところまで説得するという。何か惹きつけるもののある人なんだなあと思いますね。

同じような感じで画廊をやってらっしゃる方にもお会いしました。彼女もまた自分の住んでいた家がマンションになるというので、引っ越すのも惜しいしというのでその一角をギャラリーにされたそう。自宅マンションの一部分をギャラリーにできるという「場」を確保できたことが世の中から見ればラッキーな要素に見えますが。
実際絵を描いている方なので、描き手の置かれた状況はよくわかってらっしゃる。皆食べていけないので仕事してますよ…って笑ってましたが。ギャラリー経営をする以上、いろいろな方とコミュニケーションをとってやっていかなくてはならない。けれどそもそも「絵を描くってこと自体が人と関わりたくないところから始まってる作業なんで」って、苦手なことを乗り越えて作り上げている環境なんですねえ。

よく趣味と実益を兼ねるなんて言うと「いいわねえ」って言われがちですが、これはしんどいことだと思いますよ。好きなだけでやり続けていくんだから。好きなだけに妥協できなかったり、好きなだけに汚いことに目が瞑れなかったり。でもやり続けるのはやっぱり好きだから。

そういう方々とお話をすると、ちょっと自分の仕事に対するスタンスを考え直したくなってきますねえ。