新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

ひけらかさない人の厚さ

だったかな。今手元にないのできちんとは書けないのですけど、今日の夕刊で読んだ山本一力氏のコラム。なんだかもう膝を打って「そうだよなあ」と。作家(に限らないけど)は、得た知識の9割5分は捨てろと…。そのとおりだと思いますね。昔自分も逆の立場でクリエイターに向かってそう思ったものでした。

「あなたが知っているということはわかりました。でも読者は知っているということを知りたいわけではないのです」

と口に出しそうになって出せなかったことの多いこと。それをはっきり作家に伝えたこの編集者さんは素晴らしいと思う。知識は邪魔にはならないけれど、それに頼ることほどキケンなことはない。それをすべて咀嚼して、まったく違う形にしなければ表現者にとっては意味がないと思うのです。その知識そのものをどうこうするより、その知識を得たことによってものの見方が変わったりとか、多角的な視点を持つことができるようになったりとか、そういう部分のほうが見えない部分で後からじわりと効いてきそうだもの。
無論その知識の質というのも大事な気がしますけどもね。本とかwebで得られる知識ってすごくわかった気になれるんだけど、これもキケンな感じが。やはり目で見たり肌で感じたりすることって大事なんじゃないかなと。そこから得られる「感覚」って他人には真似のできないものだものねえ。ってのは本を読まない人間の言い訳か〜(笑)?

ついでに人間的にも「ひけらかさない」美しさというのはいいなあと思います。品性というか、奥ゆかしさというか。そういう人のほうが単純に深みがあるというか、魅力的に見えたり。惹かれますねえ。

とりあえず自分のことは完全に棚にあげてます(笑)。ひけらかすほどの知識もないので。えへへ(←笑って誤魔化す)。