新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

パビリオン山椒魚

わかったようなわかんないような。
話の筋があるようなないような。
脈絡もあるようなないような。
不思議な映画でした。
以下ネタバレとも言えないようなネタバレあり。
パンフレットを見ると、一応「浅草花やしき仕様」のジェットコースタームービーということなんだけど、それほどでもなかった…というのが正直な感想かなあ。だいたい花やしき知らなかったら意味わかんないじゃん…それ(笑)。所謂民家すれすれ系の庶民派と言うことでしょうか。日常の中の非日常ってこと?
それともいつ壊れててっぺんで止まってもおかしくないオンボロ系?(すみません。決して花やしきを馬鹿にしているわけではありません)
実は告白すると、98分という短い映画なのに途中で飽きてしまったという…軽く眠くもなったという…。オダギリファンの風下にもおいてもらえない私。一応言い訳すると、広めでキレイなシネコンで、しかも椅子が割りとふかっとしていて、体重かけると軽くリクライニングするという空間に、鑑賞者がたったの3人っていうのがいけなかったんじゃないかと(平日だしね)。オダギリが出てきたらしゃきっと目覚めるんですけど(笑)。
思えば結構笑ったり、突っ込みたくなったりしているのに、飽き気味というのは、話としての流れに私は乗れていなかったのかも。ゆるめのコネタCMを連続で98分間見ているような感じかな。部分部分では笑っているんだけど…。いや、笑わせてくれているのはオダギリだけなんだけど。
このゆるさ加減がこの映画を支配している空気なんでしょうねー。それを楽しめないと眠くなる…てか、話の筋を追おうと思った時点で寝る。最初からそういう部分を放棄して挑めば良かったのだ〜きっと。
観るんじゃなくて参加しろっていうのはそういうことだったのね…。

いつも映画やドラマを観ていて、「オダギリならではだな」と思うことは多いのだけど、じゃあ他の人がやったらどうなるんだろう?って思えば、それはそれでまったく違うものができるんだろうな〜と思うんです。どっちが面白いとかじゃなく、違う作品が成立するんだろうなって。
でもこの映画に関しては「オダギリだから成り立った」としか思えなかったなー。オダギリが「あんなことやこんなことをしている」から面白いっていう感じ。その「あんなことやこんなこと」も別にたいしたことじゃないんだけども(笑)。
ただ漫才用のマイク立てられて僅かな小道具を持たされたオダギリが裸一貫で笑いを取るために頑張っているのだ!と思うと俄然面白い。もしやオダギリファンにとってはすごい作品なのかもしれん…とか。なんか考えすぎてわかんなくなってきた(思考停止)。
とりあえずまあ全体に胡散臭〜い薄い空気が漂っている中に、シリアスともコメディともつかないコント紛いの断片が散りばめられていて、それが斜めにずれながら繋がって物語りになっている…というような感じでしょうか?「わけわかんなくてつまんない」と言ってしまうのは簡単なんですが、ここまでわけわかんないと逆に冨永監督すごいなあ〜と変に関心してしまう。普通に作ったら絶対もっとわけわかる話になっちゃいそうだもん。ストーリーそのものは単純だし。

そういうわけのわかんない映画ですが(っていう説明がもっともわけわかんない)、そのオダギリ氏と言えば素敵な七変化♪ 
頭もっさ系のでもかっこいいナチュラルレントゲン技師から始まって、後半は山賊だかマフィアだかちんぴらだかわからない妙な格好を存分に堪能できます。多分意味など考えてたらいけないんだと思う。何で裸足?とか、何でダンボール箱被って地下足袋?とか、何で突然好きになってるの?とか、考えたら負けだ(映画は勝負ごとじゃないのに)。
印象深いのは高田純次さんとレントゲン車の運転席で鍋をつつくシーンかなあ。このシーンは妙に面白い。ノーカットでだらだら流されてもここは見てしまいそうだなあ。あとはタバコが2本まとめ吸い→4本まとめ吸いにグレードアップするとことか。なんだ自分細かいところ見てんなあ(笑)。
もうあとはレントゲン撮影の「止めて!ドーン!」。後半ひたすら「ドーン!」。暫く自分の中で流行りそう。
返事は「らー!」。「ごめんらっしゃ」「そうらりんす」…わけわかんない。この笛午弁についてはもうパンフレットを買うしかないのではと。笛午村の成り立ちとかさ、知らないと面白さ半減だろうし。それも映画の中でちょっとは触れておけっつの(笑)。
とりあえず名台詞としては「ブラジャーはずさないなら、俺がはずしちゃうよ」(超うろ覚え)には「ありがとう」と言いたいです(笑)。いいセリフだ(笑)。

これまともな感想書ける人いたら尊敬しますね。多分いろいろこじつけたり、真剣に検証していけば面白いしかけがあるのかもしれないし、役者さんの演技とか演出とかいろいろ言おうと思えば言えるんでしょうけど、言おうという気が起こらない…。感想を書こうという気が起こらないぐらいの脱力系。
一体何がしたかったのだ…。理解できない自分は結構キャパが狭いのかもしれない。既に若い世代のことがわからないのかも…と思ったらちょびっと切なくなりました。