新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

ちび雛

私の父方の曾祖母であるハナさんからの贈り物だったチビ雛。これがなかなか可愛くて、実は物凄くお気に入り。
ハナさんは私が小学1年生の時に他界して、最期の頃はずっと入院生活で、私はあまり会えなかった。でもその前の本当に私がチビだった頃のことを何故かよく覚えている。いや、本当に覚えているのか?作られた記憶なのかわからないけれど、このひいおばあちゃんが私は好きだった。何しろかっこいい人だったから。
白髪頭に鼻眼鏡で少し背中が丸まっているのだけれどいつも着物をシャンと着ていて、自分のことを「おれ」と言う。女の人なのになんで?と思っていたけれど漁師町育ちだからそうらしい。彼女は明治生まれの女性には珍しく、自分から夫に三行半を突きつけたツワモノらしい。それも夫婦になって1年も経っていなかったという話。お腹には祖母がいた。んでもって、その離縁の原因は夫に女がいたとか(笑)。いやなんか、どういう事情かわからないけれどもね(笑)。母が言うには「重婚だったらしい」って!オイ!そこで縋らないところが曾祖母らしいんだけど。とにかくダンナを追い出したらしい。その後彼女はお産婆さんをして祖母を育て上げたという。
ハナさんが亡くなった時、とても高齢だったのでお友達などは皆亡くなってしまっていて、お葬式にはあまり参列者がいないだろうと両親たちは思っていたらしい。しかしフタをあけてみたら「ハナさんにとり上げてもらった」という近所のおじさんおばさんがわんさか来てくださった。子供ながらにひいおばあちゃんは皆に愛されていた凄い人なんだ!と思ったのは記憶に鮮明。
このちび雛。私が生まれた時はすでにお産婆さんも引退してすっかりおばあちゃんになっていたハナさんが、ポケットマネーで一人で買ってきてくれたらしい。その時、その娘である祖母は「こんなみすぼらしいものを、みっともない」と言ったらしい。
でもねえ、ハナさん、私はこのお雛様が大好きよ。娘達もお気に入りで、大喜びして眺めてるもん。実は私が幼稚園の時に作った紙粘土のチビチビ雛もこっそり一緒に中に入っているのでした(笑)。
私が強い女性に憧れるのはハナさんの影響が大きいのかも…雛祭りがくると毎年ハナさんを思い出す。