新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

瞑るおおかみ黒き鴨

友人(コメント欄に時折出没してくれるへの8姉さん)に誘ってもらって、久々にお芝居を見に行ってまいりましたよっ!

「瞑るおおかみ黒き鴨」って、タイトルだけ見たらなんのこっちゃですが、幕末もので新選組斎藤一が主役という、ヨダレもんでした。

 

あらすじは端折りますが、要は幕末戊辰戦争西南戦争を交互に描きつつ、もののふたちの複雑な思いが交錯していくという…そう、つまり言葉で説明するのがすごく難しいタイプのストーリーで。見たらわかりやすいのに、人に伝えにくいという(汗)。

でもねえ、これ見て私久々に中村半次郎好きだったことを思い出しましたよ!いや、見るまで忘れてたんかいっ!という感じですけど、忘れてたんですけど…でも思い出しました!はっきりと!

そう、半次郎好きなんですよ。そもそも薩摩はあまり嫌いじゃない(長州に比べれば…)んですが、その中でも半次郎はいい男!でもって、この舞台の半次郎がこれまたやたらといい男!

知らない役者さんだったから、役者さんが素敵なのか、役どころが素敵なのか自分でも判別つかないんだけど、なかなかいいところ突いてるんじゃないかなあ。

小さめですがヒジョーにすばしっこくて身軽で、なんかどっかイライラギラギラしているんですね、若き半次郎が。

京で一番人を斬っているのは土方だと遊郭で噂になってる!と、土方に敵対心むき出しにする半次郎。土方に「俺じゃないけどな」とアッサリ言われちゃう半次郎。(言外に斎藤だと言っている土方もかなりツボった)

戊辰戦争でも自分が白刃で追い詰めてるのに、横から銃で助太刀されて怒り出すし(どうやら助太刀は「俺を信用してねーのかよ」という発想になるらしい)。

反抗期的に「旧幕府につく!」とか言い出してしまう半次郎。大久保どんにも軽く突き放され、挙句あろうことか山縣に預かられてしまう半次郎。結局「城の明け渡しは半次郎にやらせよう」と、花持たせられてる半次郎。

いやーん。半次郎かわいいなー(笑)。

めちゃくちゃ強いんだけど、ちょっと子供なんですね。

そこらへんの自分でもどうすりゃいいのかわかってないような、滾る若さがもう私くらいのオバサンから見ると(以下自粛)。

個人的にはいままでもっと余裕のある大人の色男を想像していたので、この振り切れっぷりは斬新だったけどかなり好物♪

全体的に重たいテーマを背負ってるわりに、コメディ要素も随所にちりばめられていて、決して謝らない男西郷隆盛が、お笑いの「響」長友さんだったのもツボったなあ…。このお芝居の西郷どんは特に何かするわけじゃないんだけど、大久保に対して「おはんのやることに間違いはない」と、ただ最後の号令を発するだけの男なんですよねえ。そういうデフォルメの仕方が、端的に西郷というでかい男を現していて、なんだか自刃の場面ではしんみりしちゃいました。なんだか愛おしい西郷どん…。ええ、ことあるごとに謝らない男は「どうもすみま…」ってネタが漏れそうになってましたけど(笑)。

あ、あと会津も良かった。容保公の扱いがあのオヤジキャラでいいのかどうかは賛否あるかと思いますが(個人的にはあってはならん!)、アリかな~と思えてしまうのは西郷どんと同様に全体に荒ぶる若者ばかりだから…。

佐川官兵衛寝過ごし事件とか、大山巌サキちゃんに一目惚れ事件とか、細かいネタもかなり盛り込まれていて、佐幕倒幕問わず幕末愛が滲んでおりました。

そうそう、スマートで俊敏で斎藤一に対してちょっと反抗的な島田魁ってのも、ほお~という感じだったし、土方さんのワンコではない斎藤というのも私自身の凝り固まり過ぎた感覚を解してくれて、なんだか脳みそフル回転。

もう一回見て頭整理したいよ(笑)。

新選組大好きで、新選組斎藤が主人公で、それで薩摩に惚れる舞台…なかなか深いもんがありました。