新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

剣岳 点の記

テレビをつければ明日からアマルフィ〜な本日ですが、個人的には明日から夏休み〜で、気分が重いっ。明日から毎日お昼御飯も作らなくてはいけないのですねえ。全国のお子様を持つお母様方、共に手を抜きつつ頑張りましょう。
さて、そんなアマルフィ〜な本日ですが、母のお供で「剣岳 点の記」を観にいってきました。
一言で感想言うなら「ちょっと長かったけど良かった!」。
ちょっぴりネタバレもある感想は下に。




若干中だるみしちゃったんですよ、ひたすらあっちに登り、こっちに登りして、こっちにも行ってみよう、いやダメだ引き返そうというのを繰り返していくんです(だってそう言う話だもんね)。そこで若干弛みました、私は。でも基本的にそういう淡々とした流れの中で、僅かな人間模様が織り込まれているのがとても良かったですねえ。大げさに描かれてなくて、皆が寡黙に、でもちょっとずつ変化しながら生きているというのが良かった。
ああ、男の仕事っていう感じ。あーだこーだと大騒ぎしながら偉業を成し遂げるのもそれはそれでドラマちっくですが、本来男の人ってそういうところクールですよね。仕事のためだけに集まり、仕事のためだけに協力しあい、その中で育まれた仲間意識や友情は、声高に叫ばれることはない。ましてや必要以上に誰かを求めたり、突き放したりということもない。
世間がライバルと位置付けた、山岳会のメンバーとの手旗信号でのやり取りなんて、特にそういう男くささみたいなものを感じさせました。面と向かって至近距離にいたらそこまで言えないだろう…という気持ちも(劇中では「口をききたくない相手と話せるし」なんて嫌味っぽく言われてましたが)、ああやって距離を持ちながらもお互いだけが分かり合えるわけですから。そして本来の目的である地図づくりというところに回帰して成し遂げた登頂も、認められ歴史として残るのは山岳史の方でという、そういう微妙なねじれ具合もしっくりきます。


で、何がいいってやっぱり良かったのは香川さん。すごいなーこの人は。ますます来年の大河が楽しみになってきたけれども、そうだスペシャル大河の「坂の上の雲」の方が先じゃんね。楽しみ楽しみ。
あと松田龍平さんが良かったわー。やっぱりなんつーか、いまどきのイケメン若者にはない(彼がイケメンじゃないという意味ではありません)、鋭い男っぽさというようなものがどっと出ていてすごい存在感。浅野さんは言うまでもないんだけど、ただ役柄的に淡々としていて器の大きな人なので、寧ろそれで龍平さんの方が際立ったのかもしれない。
滑落や雪崩、悪天候など、登山なのだから当然と思われるシーンもたくさんあって、本日のニュースと相まって辛い部分もあったけれども、ストーリー的には悲惨な展開には一切ならなかったのがすごく救い。山岳会側も、測量隊側も、地元の人々も、誰も犠牲にならなかったというのが、この映画の誇りみたいなものに思えたりして。日本映画らしいいい映画だったなー。