夏の椿
- 作者: 北重人
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/01/10
- メディア: 文庫
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結構面白かったですねえ。主人公の甥が殺されるところから始まって、その謎を解きつつ下手人に辿りつくという話なので、序盤が少々退屈。読みの甘い私などでは「お!こいつ怪しいぞ」とかいうところまでも辿りつかないので、ただひたすらよくわかんないけど読んで事実関係を知っていくしかないという。でもここを乗り切ると終盤は一気にいろんなもんが繋がってとても楽しめました。
やっぱりさ〜、大人の時代ものは少しの惚れた腫れたはなくっちゃねえ(笑)。いやいや、変な意味じゃなくってですよ。そういう人間関係とか、誰かを思う気持ちとか、そういうところから下手人を暴きたいという原動力が生まれてくるわけだから、そこんところが響いてくると一層楽しめる。
いいなあーと思うのは、傍目には意外と皆幸せになれないところ。これって両論に分かれるんでしょうけれども、妙にリアルに思えて好きです。現実は厳しいよね…という。傍から見たら「そんなー」と思う展開であっても、多分本人はそれなりの幸せを手に入れているというのもいいですねえ。
え、まだまだほったらかされている本はあるんですが、体調が大分回復してきてしまったので(←なんという言い草)、あとはまた暫くほったらかしかも。いやーそれにしても年齢の所為ですかねえ。昔なら薬さえ貰えばすぐに治ってたのに、今は飲んでも飲んでもなかなか治りません…体力の低下はこういうところにも弊害があるんだなあ…。