新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

ジャージの三人

なんのこっちゃという感じがしますが、昨日のブログで触れたジャージの二人という文庫本。前半はまさに「ジャージの二人」というお話。カメラマンのお父さん(映画では鮎川さん)と、その息子である僕(映画では堺さん)がほぼ全編にわたって二人であれやこれやら山荘の生活を送っているお話。時折、遠山さんとか岡田さんとかっていう、近所の人や古いお付き合いの人が出てくるけれども、それほど刺激的な存在じゃない。

で、恐らく映画はこの「ジャージの二人」なのでしょう。何しろタイトルが「ジャージの二人」だから(笑)。文庫本の後半はその一年後のこと。去年と同じように山荘に行く「三人」の話。これ読んで正直なところ、映画にするならこっちの方が面白そうかな〜と思ってしまった。

夫(僕)のほかに好きな人がいて、どうやらでもそっちが上手く行かなくなってる奥さん。ちょっと具合が悪くなっている感じのお父さん。去年とちっとも変わってない僕。途中で奥さんは帰京。かわりにやってくる三人目は、お父さんの三人目の奥さんの子である中学二年生の花ちゃん。この花ちゃんと僕のやりとりがなかなかいい。30にもなる既婚者である僕と、血は繋がらないとはいえ妹である中学二年生の花ちゃん。と、書くとどことなく面倒くさい話のように思えるけれども、これが絶妙にするっと自然に入ってくる。お父さんと僕と花ちゃんという世代も感覚も違う三人が山荘にいる感じがなんとも。
花ちゃんとお父さんが瑣末なことから親子喧嘩になったとき、僕が一歩引いてしまうのは、親子の話に首を突っ込まないという感覚。だけど、兄なら首を突っ込んだって良さそうなものなのに。でも僕と花ちゃんは仲良く連れ立って犬の散歩に行く関係。なんかこの奇妙な位置関係が不思議な感じがして、この辺を映画で見てみたかった気がする。花ちゃんをどんな役者さんがやればいいのか…なんてことまで考えてしまった(笑)。
漠然と多部未華子ちゃんがいいなあ〜と。対岸の彼女を見てなんだか物凄く印象的な表情をする人だなあと思ったのもあって。そうだ山田太郎に出てたっけな…西遊記もだ。中学二年生には無理があるかな。奥さん役は誰がいいかなあ…こっちは難しいなあ。とか思いつつ。

レタス畑で咄嗟に奥さんの腕を振り解くという選択をしてしまった「僕」。花ちゃんに見せてとせがまれて咄嗟に奥さんのプリクラを捨ててしまった「僕」。そいういううろたえる「僕」が、山荘で初めて独りになるとき。うーん。絶対こっちのほうが映画に向いてる気がする。
とりあえず二人の次は三人を…。なんて、贅沢なプランを勝手に立てるファンの夜長(笑)。