新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

ジャージの二人

堺さんが主演という例の映画の原作です。

ジャージの二人 (集英社文庫)

ジャージの二人 (集英社文庫)

ああ、堺さんが演じる息子の一人称なんですね、これ。語り過ぎない、語らなさ過ぎ感すら若干漂うお話ですが、こういうの堺さん得意だろうなあ、と思いました。語らずに心の中のぐちゃぐちゃしたもんや、どうにもならない現実や、そんな中でも普通に時間が過ぎていく毎日。特別じゃない毎日の中の特別な時間。
映画でどう料理しているのかわかりませんが、大事件が起こるわけでもなく、とんでもないことを言うわけでもなく、この淡々とした中の人の動きっていうのは、日本映画にとても合いそうな感じがします。同時になんだか「この主人公ちょっと堺さんぽい」と思ってしまうのは、既にそう思って読んでいるからなのか、それともそういうキャスティングなのか。だって車はいくら免許取っても助手席が似合いそうだし、原稿用紙に向かう姿もなんとなくお似合いだし、本音をぶちまけないところもなんとなく…。
ただ、映画になったら激しく地味なんだろうな…と要らぬ心配をしてしまいました。これがファン心ってやつ。でもそれだけに、堺さんの語らない演技が際立つはず…だと思う。たぶん。