新 お気楽日記

日常を徒然なるままに。

池波正太郎自選随筆集

伊庭八郎に関する記述があるというので、随分前に図書館で借りて読んだものを再びちょっと借りてきました。記憶が曖昧になってしまって〜。なんだか日に日に記憶回路がいい加減になっているのを感じます。昔から得意ではないんですけどね。

当時池波氏の書斎の棚には青年武士の小さな写真があったそうな。それがイバハチなのだそう。氏曰く伊庭家の末裔である古田中家にあったもので、訪れた際に夫人が見せてくれたのを自身がカメラで撮ってきたのだそうです。これが例の「伊庭八郎のすべて」の表紙になっている写真とはどうやら違うようです。
伊庭八郎のすべて
何しろその写真。髪は講武所ふうの茶せん、一文字のりりしい眉、美しい鼻すじの下にきゅっと引き結ばれた口…ってまるで乙女が愛しい人の風貌を書き綴ったような言葉で表されているんですよ〜。ふう〜。どんだけかっこいいんだ…想像力が足りなくてわからん(笑)。因みに服装はフランス風の軍服で、詰襟の襟元が少し肌蹴て白いシャツがのぞいているのだとか、そりゃ鼻血ものですぞっ。因みに二重まぶたで、双眸はらんらんと光っている…た、ため息がでますねえ。
残念ながらその写真は掲載されていない(というか世の中に出ていないですよねえ?)んですが。恐らく函館で撮影されたものではないかと推測されています。あ〜もしかして土方さんのと一緒に撮ったりとかしていたら…と妄想は広がりまくりますが。
これを見て子母澤寛氏は「これはいい。この八郎はまったく八郎らしいですなあ」と言ったのだそうです。確か他の本では子母澤氏が涙を流したとまで書いてあった記憶が…。うーむ、池波氏が絶賛し、子母澤氏を泣かせる写真って。うーむ。見たい見たい見たい見たい…呪文のように呟くのみ。ホンモノなんでしょうか〜?

因みに池波氏の作品の中でイバハチは労咳病み設定になってますが、これについては史実に基づいて書いたわけではなく「そう感じたから」と子母澤氏の質問に池波氏は答えています。が、なんと子母澤氏ってば「私もむかし伊庭家は代々、胸が悪かった、ときいたことがある」と言っているではありませんか。どこで誰からそれを聞いたのかは案の定書かれていないのでわかりませんが。もう!子母澤氏ってば各方面で思わせぶりなことを(笑)。しかしそれにしたって妄想の膨らむ話です。